作品募集に皆さまからご応募いただきましたゲームの総数「352ゲーム」。
ユーザーの皆様に評価していただいたランキング上位20本から、ダウンロード数・評価・評価数などを考慮し最終選考作品10本を審査員の皆様にプレイしていただきました。
今回は審査員の皆様の評価が割れ、難しい審査となりました。

大賞(100万円)「アビスシーカー」ka.ma.yu

ka.ma.yuさんの「アビスシーカー」が僅差での大賞選出となりました。
おめでとうございます。
システム、シナリオ共に高評価を得ており、遊びやすさも含めた完成度の高さも好評でした。

吉澤氏 コメント

失われた記憶を求め、迷宮に挑むという王道のストーリーなのですが、
主人公は見えないものが見えたり、大迷宮の秘宝を持っていたりと気になる謎があったり、
仲間になる傭兵は口では主人公を突き放すが情にもろい性格だったり、
戦闘はオーソドックスなシステムながら快適に遊べるバランスだったりと
面白いものを遊びやすく作り込んであり、プレイヤーへの配慮がされている
完成度が高く、遊びやすい作品でした。

河西氏 コメント

ダンジョン探索がとにかく楽しい作品。途中仲間になるキャラクターも立っており(ガイコツさんとか)、パーティを離れると言われた時には「え?」と寂しさも感じたくらい。またレベル上げに、単純にバトルをひたすらしていくのだけではなく、途中の隠しキャラに秘技を伝授してもらったり、クエストをこなすことで手に入るアイテムで装備や魔法を覚えていったりと、飽きさせない工夫があって良かった。また、ワープポイントが適宜あり、ダンジョンへ潜る辛さもなかった。メインのストーリーのほうも、記憶を探す旅というド定番だが、それ以上に仲間の過去そして絆というものが感じられた。ムキムキキャラのヒロインがいい味。

優秀賞(30万円)「姉三人世界を覇す」 ヴァルカン

ヴァルカンさんの「姉三人世界を覇す」が優秀賞に選出されました。
短いセリフでのテンポの良さやジョブチェンジを行いながら進めるゲーム性の高さなどが高い評価を得ておりました。
おめでとうございます。

吉澤氏 コメント

勇者の姉がなぜか世界制覇を目指して冒険をする笑いのたくさん詰まったストーリーが魅力の作品。
この主人公3人の会話が可愛らしく、コミカルながらも徐々にスケールの大きくなっていく構成やRPGとしてのシステムも複数のジョブを切り替えながら育成、攻略していくゲーム性の高さなど完成度が高い作品でした。
本格的なゲームを作るだけでなく、ユーザーが世界観に入りやすいようノリの良い会話でストーリーを展開するところに技量の高さを感じました。

河西氏 コメント

まず「姉三人」という設定にやられた。勇者として旅立った弟のために、また姉たちも『行こう』と一言で旅に出るという流れが淡々としていて面白かった。全体にセリフが一言で表現されているところも、くどくど説明されるより簡潔な気持ちだけ伝わってくる気がして好印象。ゲーム自体も非常にテンポとバランスが良く、過度なレベル上げも必要なくストレスなく物語に没頭できたため、姉三人それぞれへのキャラへの愛情がより一層湧いた。各国を制覇していくところでも、常に姉三人(ところどころ悩むが)のぶれない正義のスタンスが小気味よく、"女"の強さを感じて面白かった。職業転職システムや島クエストをやりこんでみたかった。

特別賞(5万円)

「ゼプトロア」 ネクサス
「テスト PLAY」 A-TOP
「魔物は金を持っている!」 ぱやちゃん
「私はゼウスです」 スス

おめでとうございます。

審査員総評

浜村 弘一氏

全体的にストーリーが作り込まれた作品が多かった。クオリティーの高さに驚かされた。
なかでも「テストPLAY」は、ゲームのなかの人たちの悲哀が、じつに上手く描かれていた。
このまま小説にしても十分通用する出来栄えだったと思う。
目の付け所の良さが光った作品だったと思う。
本格派RPGの「ゼプトロア」は王道中の王道。
しっかり考えさせられるギミックの作りには、ゲームとしての面白さが詰まっていたように思う。
とくに敵から奪った魂で、キャラクターをカスタマイズするシステムには、長く遊びこませる要素を感じ取れた。
「アビスシーカー」は、テンポの良いRPG。サクサクと気持ちよく進み、物語を楽しませてくれる。
トータルの仕上がりの良さを評価させていただいた。

吉澤 純一氏

このコンテストも第2回目ということで、前回に比べボリュームのある作品が多かったように感じました。
やはりみなさん作りなれてきているんですね。
そして今回も選考に悩まされました。
どれも良い作品で
『姉三人世界を覇す』『アビスシーカー』『ゼプトロア』はRPGとしてストーリー、システム、共によくできていて長編を遊びたい人にオススメの作品。
『テスト PLAY』は、RPGツクールファンならたまらないのではと思う感動や笑いの詰まったストーリー。
『黒猫ライトの脱出ゲーム』現実世界とVRの世界を行き来しながら謎を解いていく新しくも親切な設計で完成度の高い脱出ゲーム。
『魔物は金を持っている!』は親子をテーマにした個性的なストーリーもさることながら凝りに凝ったシステムでツクールの可能性を引き出している作品。
と、とにかく良作が多くプレイヤーとして楽しませていただきました。
参加されたみなさん、楽しいゲームを制作してくださってありがとうございました。

河西 恵子氏

全体に既視感を覚える王道RPGが多く、選びづらかった感がある。
世界観が他とは一味違う作品もあったのだが、ゲームシステムに慣れるのに時間がかかったり操作性で躓いてしまうこともあった。
やはりパーティメンバーがころころ変わるものより、基本固定メンバーを育てていく方が、ストーリーに没入しやすく、愛着も湧いてくるのを強く感じた。
ただ、本当にプレイしがいのある大作が多く、ツクールのゲームでこれだけの作品が制作できるのだと感動をした。
実際に販売されていたり、配信されているゲームと変わらず楽しめる作品も多く、制作者のゲーム愛とスキルの高さを感じさせられた。
プレイするだけではなく、"作る"楽しみということの裾野の広がりを実感したのでこれからも期待していきたい。

池上 昌平氏

素晴らしいゲームを作ってくれたクリエイターの皆さん、ありがとうございます。
今回のコンテストでも、たくさんのワクワクする楽しいゲームに出会いました。
RPGツクールフェスの機能をめいっぱい使った、オリジナリティあふれる別世界。それを自分の力で作り上げた皆さんの努力と才能に脱帽です。
気に入ったゲームって、すみずみまでプレイしたくなりますよね。限界までキャラ育成したり、隠し要素を探したり。寝る時間も惜しんで夢中になって。
今回とくに僕を夢中にさせ、睡眠時間を削り取ったのが、「アビスシーカー」と「ゼプトロア」の2作品です。
これぞ冒険という感じの探索ワクワク感がとまらない「アビスシーカー」。未知の階層に足を踏みいれる期待と高揚、出会いと発見、そして自らが何者なのかも明らかになっていく。階層ごとにストーリーも深まって飽きさせません。地下世界すみずみまで探検しました! いやー、冒険したなー。もっと遊んでいたかった!
「ゼプトロア」は、王道ストーリーと個性的キャラが魅力の大作RPG。錬金と装魂システムが特徴的でした。このおかげで、自由度の高いキャラ育成ができます。武器やアイテムの錬金がとても楽しくてやめられない。いい素材なら必ずいいモノができる、うーん安心感。
ほかにも完成度の高いゲームが多かったです。作り手のレベルが上がっていますね。

最終選考作品

「私はゼウスです」 スス
「テストPLAY」 A-TOP
「ゼプトロア」 ネクサス
「アビスシーカー」 ka.ma.yu
「姉三人世界を覇す」 ヴァルカン
「黒猫ライトの脱出ゲーム」 じぇf
「Air Knows Elemental」 パンミミ
「魔物は金を持っている!」 ぱやちゃん
「Lost」 かび
「レリックレイダース」 えれん
(順不同)

最後に

受賞された皆さま、おめでとうございました。
冒頭でも触れましたが今回は皆さんのレベルが非常に拮抗しており、審査は難航いたしました。
それだけ多くの良作が生まれていること、その作品を多くのユーザーの皆さまに遊んでいただけていることに感謝いたします。
受賞された皆さまには11月27日以降に、RPGツクールフェスのソフト上でご連絡させていただきます。
RPGツクールフェス内にあります「通信」を選択し、インターネットにつないでいただくとお知らせが届いているかと思いますので、忘れずにご確認ください。

また今回も作品募集にご応募いただいた皆様、プレイしていただいた皆様にお礼申し上げます。
受賞された6作品は「通信」→「コンテスト会場」→「結果発表」からダウンロードしていただけます。
引き続き、RPGツクールフェスでのゲーム作成や全国のユーザーの作ったゲームをお楽しみください。