名作図書館

ツクール名作図書館へようこそ。本図書館は、ユーザーのみなさんの手によって生み出された数多の名作に敬意を表し、その功績を未来に伝えるために設立されました。新旧を問わず、さまざまなカタチで“名作”と呼ぶにふさわしいツクール作品をご紹介してまいります。作品は今後も続々と増えていきます。あなたの作品も、いつか当館に収蔵させていただく日がくるかもしれません。 ※プレイ環境の関係で、現在ではプレイ不可能となっている作品も含まれることがございますが、あらかじめご了承くださいませ。 ―館長より―

今の風を感じて

ツール RPGツクール 2000
ジャンル アドベンチャー
作者 ヒデ、辺境紳士
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物語を楽しみ、キャラを育てる正統派!

 ちょっと優柔不断な青年アレイドと、その幼馴染で亡国の姫君でもあるティナ。教会の聖術士であるふたりが、帝国の支配下に落ちた故郷へ調査の旅に出るというRPG。かつて暮らした王国領で、ふたりは何を知り、何を感じるのか? 基本的にはシリアスなシナリオなのだが、コミカルでほのぼのとしたシーンも多く、親しみやすい雰囲気だ。多数の登場人物たちの心情が細やかに描写され、物語はさわやかにしめくくられる。
 システム面では、独特の成長システムが目を引く。お決まりの「経験値」や「レベル」といった概念はなく、あらゆる場所に隠された「チップ」を手に入れ、それをHPや術の威力などのステータスに、ポイントのように割り振るというものだ。しかも自由に振り直せるので、対峙する敵に合わせて戦略を練る楽しさもある。チップはあらゆる場所で入手できるが、その多くは「見えるが手が届かない」という状態に置かれており、少々頭をひねらないと入手できない。そんな「チップ集め」自体も、このゲームの大きな魅力のひとつになっているのだ。
 また、各イベントのために描き下ろされた、力の入ったグラフィックも必見。登場人物たちの表情や心情をダイレクトにプレイヤーに伝え、物語を盛り上げてくれる。
 かなりアクの強いツクール作品が目立つ中、本作はプレイ後の余韻も心地いい正統派。シナリオ、キャラクター、システムと、ゲームに必要なさまざまな要素が高水準でまとめられた秀作だ。