名作図書館

ツクール名作図書館へようこそ。本図書館は、ユーザーのみなさんの手によって生み出された数多の名作に敬意を表し、その功績を未来に伝えるために設立されました。新旧を問わず、さまざまなカタチで“名作”と呼ぶにふさわしいツクール作品をご紹介してまいります。作品は今後も続々と増えていきます。あなたの作品も、いつか当館に収蔵させていただく日がくるかもしれません。 ※プレイ環境の関係で、現在ではプレイ不可能となっている作品も含まれることがございますが、あらかじめご了承くださいませ。 ―館長より―

Ib

ツール RPGツクール 2000
ジャンル ホラー
作者 kouri
リンク 作者のサイトへ

美しくも恐ろしい美術館へようこそ

『Ib』は、美術館を舞台としたホラーアドベンチャー。そのストーリー性や個性的なキャラクターで人気を集め、ファンの手で二次創作や外国語版が作成されたり、公式グッズが販売されたりするなど、非常に高い評価を得ている作品だ。
 両親と訪れた美術館の中で、いつの間にか一人きりになっていた9歳の少女イヴ。誰かいないかと静まり返った美術館を探し回るうち、イヴは奇妙な世界に迷い込んでしまったことに気づく。美しくも不気味な作品が動き、叫び声を上げ、時には襲い掛かってくるこの美術館から、か弱い少女は脱出することができるのだろうか?
 建物や展示物に仕掛けられた謎を解き、ひとつひとつ部屋を進んでいくのがゲームの基本。少々頭をひねる必要があるが、難易度は高すぎず、ストレス無く遊べるはずだ。何よりも特筆すべきは、その"怖さ"だ。どこかからともなく聞こえる足音、二階なのに何者かに外から叩かれる窓、などなど……。じわじわと迫って締め付けてくるような恐怖が、作りこまれたグラフィックや、計算されたタイミングの演出で実によく表現されている。詳しいことは実際にプレイして体験していただきたい。なお、そのときには次々に怪奇現象に襲われる9歳のイヴの心境も想像してみると、後半の展開がより心に迫るものになることだろう。ひたすら孤独というわけでもなく、女性的な言葉づかいのギャリーという男性や、イヴと同年代で無邪気なメアリーという少女も仲間になる。
 エンディングは全部で7つ。どんな選択をしたか、仲間たちとどんな行動を取ったか、それ次第で迎える結末も変わってくる。作者サイトにはヒントが公開されているので、どうしても進めないときや、すべてのエンディングを極めたいときには頼ってみよう。エンディングまではスムーズに行って3時間ほどだ。1度通してプレイしてみれば、怖い思いをしながらも、ゲームそのものも美術品のようなこの一本が好きになっているはずだ。