セリフが変わる町の人を作る

ゲームのはじめから終わりまで、町の人のセリフがまったく同じだと面白くありません。そこで、町の人のセリフの変え方を、セリフが変わるタイミング別に解説します。

話しかけるたびにセリフが変わる

一度話しかけた後、もう一度話しかけるとセリフが変わる町の人のように、話しかけるたびにセリフが変わる町の人を作ってみましょう。アクターが子供達で、バーのお客さんに話しかけているという設定です。

1ページ目

ここでは、最初に話しかけた時のセリフを設定します。[出現条件]は設定しません。

このように、実行内容の最後に[セルフスイッチの操作]でセルフスイッチを ON にしておきます。

2ページ目

ここでは、2 回目に話しかけた時のセリフを設定します。なお、[イベントページコピー]と[イベントページ貼り付け]を使って 1 ページ目をコピーすると、グラフィックなどを再設定しなくて済みますので作業効率が高まります。

これで完成です。

最初に話しかけた時は、セルフスイッチ[A]が OFF ですので、1 ページ目が有効となり、2 回目以降に話しかけた時は、セルフスイッチ[A]が ON になっていますから、2 ページ目が有効となります。


●最初に話しかけた時


●2 回目以降に話しかけた時

さらにセリフを変えたい場合は、2 回目の最後でセルフスイッチ[B]を ON にし、3 ページ目の[出現条件]には「セルフスイッチ[B]が ON」と設定します。この要領でイベントページを追加していけば、いくらでもセリフを変更することが可能です。セルフスイッチが足りなくなったら、通常のスイッチを使いましょう。

ゲームの進行状況によってセリフが変わる

シナリオが大きく進行したタイミングなどで、セリフが変わる町の人を作ってみましょう。ここでは例として、全 5 章からなるゲームで、新しい章に入るとセリフが変わるようにするとします。

町の人のマップイベントには、「それぞれの章をクリアした」というスイッチを[出現条件]に設定して、複数のイベントページを作成します。それぞれのイベントページごとに、違うセリフなどを設定してください。

あとは、他のイベントの中で、第 1 章をクリアしたらスイッチ[第1章クリア]を ON に、第 2 章をクリアしたらスイッチ[第2章クリア]を ON に……といったように、セリフを変えたいタイミングで対応するスイッチを[スイッチの操作]で ON にしておきましょう。

ここでは例として、最初の章ではつっけんどんな態度を取っているけれど、章が進むごとに徐々に主人公に心を開いていく登場人物の会話を挙げます。


●第 1 章では無愛想な対応


●上から順に第 2 ~ 4 章。徐々に心を開いていく


●第 5 章ではついに主人公を応援してくれる

同じやり方で、装備やアイテムを売るお店の商品の種類をシナリオの進行につれて増やしていく、といったことも可能です。挑戦してみてください。

なお、スイッチを ON にするイベントと、その状態を参照するイベントとは別ですので、セルフスイッチで代用することは出来ませんから注意してください。

他のイベントの結果によってセリフが変わる

他のイベントの結果によって、セリフが変わる町の人を作ってみましょう。

セリフが変わるきっかけとなるイベント

まずは、セリフが変わるきっかけとなるイベントを作成します。

この例では、選択肢で[手伝う]を選んだ場合はスイッチ[女性騎士を手伝う]が ON になり、[手伝わない]を選んだ場合はスイッチに何も変化はありません。

なお、上の[実行内容]は分かりやすいように最小限のイベントコマンドしか設定していませんので、実際にこういうイベントを作りたい時は、この後にセリフを続けたりなど、色々と自分で設定を付け加えてください。今後も、[実行内容]の例は分かりやすさ優先でいきます。


●手伝ったかどうかで、後々のイベントでのセリフが変わる

セリフが変わるイベント

次に、スイッチの状態によってセリフが変わるイベントを作ります。

今までのように新しいイベントページを作ってセリフを変えるのではなく、イベントコマンド[条件分岐]でスイッチの状態によって分岐させ、スイッチが ON の時と OFF の時とでセリフを変えています。

セリフが大きく変わる場合は、新しいイベントページを作成した方が手間がかかりませんが、この例のようにセリフの一部だけが変わる場合などは、[条件分岐]を使った方が良いでしょう。


●イベント開始


●手伝っていた時のセリフの流れ


●手伝っていなかった時のセリフの流れ

イベントコマンド[イベント処理の中断]

さて、ここでもう 1 つイベントコマンドを紹介します。

イベントは実行内容を上から順番に実行していくわけですが、イベントコマンド[イベント処理の中断]を実行すると、そこで処理を打ち切り、それより下のイベントコマンドは実行しません。

セリフの変化を 1 ページにまとめる

イベントのページ数を増やす代わりに、イベントコマンド[条件分岐]を使えば、イベントページを増やすことなくセリフを変えることが出来ることは既に説明しました。

これに加えてイベントコマンド[イベント処理の中断]を使えば、イベントページを 1 ページにまとめることも可能です。

例として、先ほど「ゲームの進行状況によってセリフが変わる」で紹介した 5 ページあるイベントを 1 ページにまとめてみます。

元のイベントの 5 ページ目の出現条件と同等の条件を満たせば、そのセリフを表示した後[イベント処理の中断]を行います。 条件を満たさない場合、1 ページ前の出現条件を順番に見て行きます。どれも成り立たない場合は、最後の処理、元のイベントの 1 ページ目の処理を実行します。

イベントページを分けるか、1 ページでまとめるかはケースバイケースですが、MV では、最大で 20 ページまでしかイベントページを追加できませんので、それを超えそうな場合は、1 ページにまとめた方がよいでしょう。

ただしイベントページをまとめられるのは、[実行内容]以外の部分、[画像]や[オプション]、[プライオリティ][トリガー][自律移動]が全て同じ場合に限ります。異なる画像などを使いたい場合は、やはりイベントページを分けた方が良いでしょう。