マップ編

マップ作成実践編

これまでの方法を活用することでマップを作れるようになりました。
自由な発想でマップ制作もできますが、コツを意識することでプレイヤーへの印象が変わることもあります。
実践編では各マップ別にポイントと初心者向けのテクニックを厳選して紹介していきます。

実践例は前作RPGツクールMVの初心者講座でも紹介しています。
より多彩なマップを作りたい場合は前作の実践例もご確認ください。

フィールドマップのコツ

街やダンジョンを配置していくフィールドマップは、テクニックやコツを覚えることで、制作を効率的にするだけでなくプレイヤー期待度の上昇を狙うことができます。

陸地を装飾する

フィールドマップを自作する場合はセットAから海タイルを描画ツール[塗りつぶし]で敷き詰め、同じくセットAから陸地となるマップタイルを配置していきます。

陸地だけではなく、森や山のマップタイルを活用し、陸地を装飾していくことでより自然なマップに変化します。

草原タイルのエリアが続いてしまうような箇所には適度な山や森を配置していきます。地域によっては砂漠タイルや雪タイルを置いていきましょう。

海の装飾

通常、海にはセット A の一番左上にある海タイルが使用されます。
この海タイルを装飾するタイルを使うことで、海にも様々な表情をつけることができます。

深い海

遠洋の表現に最適な濃い色をした海です。また、小型船は通行できず、大型船のみが通行できますので、小型船による海の通行を制限したい場合にも活用できます。

岩礁/氷山

海から顔を出した岩礁や氷山で、船は通行不可です。単なる装飾としてだけでなく、船による通行を制限したい場合にも活用できます。

海にできた渦で、船は通行不可です。オートタイルではありませんので、複数並べても渦は大きくならず、並べたタイルの数だけ渦ができます。

乗り物を意識した配置

MZには、フィールドマップ移動用に海辺を移動できる船や、障害物を避けて移動できる飛行船が用意されています。

乗り物を使って移動することを前提としたマップ配置もおすすめです。
海から進むことのできる地形のエリアや、山に囲まれて徒歩ではたどり着けないエリアなども作成していきましょう。

特殊なフィールドマップを作る

セット A にある「大地の境界」と「雲(大地の境界)」と遠景の設定を活用することで、空の上に浮かぶ世界や異空間をイメージする世界なども作成できます。

「大地の境界」と「雲(大地の境界)」はタイルセット内に透明な箇所が設定されています。
この透明なタイル箇所は遠景画像が表示されます。

マップの設定に[遠景]から遠景が選択できます。[エディターに表示]にチェックを入れると、エディタ画面でも遠景を確認しながらマップ作成ができます。

戦闘背景の画像を遠景として活用した事例。遠景の画像はプロジェクトの[img]→ [parallaxes]フォルダ内の画像から選択できます。
自作した画像等もこのフォルダ内へ入れれば遠景画像として表示可能です。

外観マップのコツ

民家や城といった建物はセットAの壁を使って建物のベースを作成していきます。

大きい建物を作成する場合や立ち並ぶ家を作る場合にはスポイト機能の活用が便利です。
マップ上に置かれたマップタイルを右クリックすると、その位置にあるマップタイルを選択することができます。
この機能は右ドラッグにも対応しています。

右ドラッグで複数のタイルを選択し、空きスペースをクリックします。
選択箇所と同じ建物が作成されるため、類似した形状の建物を作るときに便利です。

次に建物の個性をつけていきます。
タイルセットBには窓や看板といった建物向けの小物も多数用意されています。
これらを使用し、建物に変化をつけていきましょう。

描画ツール[塗りつぶし]で屋根の色を変える、建物の大きさに変化をつけてもいいでしょう。

マップを装飾する

外観マップは広いマップになってしまい、地面の割合は広くなってしまいます。
地面の割合が多いとゲーム画面が単調に見えてしまうことがあります。

外観マップを作成するときはうまく地面に対しても装飾をしてあげましょう。
街や村であれば道を配置し、道に沿って木を植えていくだけでも見栄えが変化します。
外観を活用したダンジョンでも草や花といった装飾を配置していき、彩りあるマップを目指していきましょう。

探索しやすいマップを目指す

大きな街を作る場合はゲームとして探索しやすいマップを意識することも重要です。
回復ポイントである宿屋の建物を入り口近くに配置する、出口を複数用意する、道を作り誘導するといったテクニックがあげられます。

せっかく素敵なマップを作成しても探索されなければ意味がありません。
うまく街を回ってもらえるように、探索しやすいマップも意識しながら作成していきましょう。

ダンジョンマップを作るコツ

入り口と出口を意識する

ダンジョンを作成する場合は入口と出口を意識した作成がおすすめです。
慣れていないうちは大きなマップを作成してしまい、入り組んだマップを作りがちです。
入り組んだ長いマップが繰り返されてしまうと、プレイヤーはゴールが見えづらく、ストレスになることもあります。

慣れないうちは下から上、左下から右上といった一定方向に向けて入口と出口を配置するようなイメージで作成するといいでしょう。
構成を単純化することでマップ作りに集中できる他、プレイヤー側にも無難なマップを作成していくことができます。

分岐点を作る

一本道過ぎてしまうと、ダンジョンの攻略が単調になってしまいます。
適度な分岐点を作成し、分かれ道も作成していきましょう。

MZでは宝箱の配置も簡単にできます。
宝箱の配置を意識し、あえて行き止まりであることが明確なポイントを作るのもおすすめです。

なお、分岐点を作りすぎてしまう場合や行き止まりまでの距離が長すぎてしまうとプレイヤーが困惑してしまう可能性もあります。
テストプレイをしながら作成を進めていきましょう。

複数マップからの構成を意識する

RPGツクールでは複数のマップを場所移動イベントで繋げていくことができます。
ダンジョンについても一つのマップで作り上げるだけではなく、複数のマップで構成するような意識で作成しましょう。

一例として、階段を活用するダンジョンがあります。
同じ大きさのダンジョンを2つ用意し、お互いの同じ位置に上下の階段を配置します。
この階段を行き来するように場所移動イベントを設定することで、探索性の高いダンジョンを作成することもできます。

ボス戦を配置することを意識しているのであれば、ボス戦の部屋を別マップで作成する方法もあります。
ボス戦の部屋の雰囲気を変えることで、プレイヤーの期待度を高めることもできるでしょう。

ダンジョン生成機能を活用する

MZには複数の大部屋と部屋をつなぐ通路から構成されたダンジョンや迷路形式のダンジョン向けのマップを自動生成する機能があります。

ダンジョン生成機能を利用したいマップを作成しておきます。 新しいマップを作る
幅・高さに応じて部屋や通路の数が決まるため、必ず幅と高さは設定しましょう。

マップツリービューで生成機能を使うマップを選択します。右クリックを押し、[ダンジョン生成]を選びます。

表示されたダイアログの項目を設定し、[OK]で確定します。

選択したマップにダンジョンが生成されました。
このダンジョン生成機能をそのまま使うことで入り組んだマップを作成することもできます。