能力を設定しただけでは、敵キャラはバトル中に行動してくれません。そこで、行動パターンを設定する必要があります。

行動パターンの設定方法

[行動パターン]とは、敵キャラがどういった行動を取るかを決めるリストのことで、ここに設定された戦闘行動の中から、敵キャラの各ターンごとの戦闘行動が決定されます。

リストをダブルクリックすると、[戦闘行動]ダイアログボックスが表示されますので、ここで一つ一つの戦闘行動を設定していきます。

スキル
敵キャラが使用するスキルを設定します。「通常攻撃」や「防御」もスキルの一部ですので、敵キャラの攻撃手段そのものを設定すると考えて結構です。
優先度
設定中の戦闘行動を行う優先度を設定します。詳しくは、後で解説します。
行動条件
設定中の戦闘行動を行う条件を設定します。詳しくは、後で解説します。

設定を終えたら[OK]をクリックしましょう。すると、戦闘行動がリストに設定されます。設定済みの戦闘行動をダブルクリックすれば内容の修正が出来ますし、空欄でダブルクリックすれば、新たな戦闘行動を設定することが出来ます。

戦闘行動決定の仕組み

各ターンごとの戦闘行動は、以下の仕組みで決定されます。

  1. 設定された戦闘行動のうち、[行動条件]を満たさない戦闘行動を採用候補から除外する。
  2. 採用候補に残った戦闘行動の中で[優先度]が最高のものを基準とし、基準との差が 3 以上ある戦闘行動を採用候補から除外する。
  3. この時点で採用候補に残った戦闘行動の中から、実際の戦闘行動が決定される。その際、[優先度]の差が基準と 1 の行動は基準の 2/3 の確率で、基準と 2 の行動は基準の 1/3 の確率で採用される。

これを読んだだけでは分かりにくいと思いますので、いくつかの見本を例にして、どの戦闘行動が採用されるのかを解説していきましょう。

行動パターン・その1

設定されている戦闘行動は[攻撃]のみで、行動条件も[常時]に設定されていますから、どのターンも採用候補は[攻撃]のみとなります。したがって、この敵キャラは毎ターン[攻撃]のみを行います。

行動パターン・その2

[攻撃]と[防御]のどちらも行動条件が[常時]になっており、優先度(リスト上では「R」と表示)の差は 2 以内ですので、どのターンも[攻撃]と[防御]の両方が採用候補となります。あとは確率の問題ですので、[攻撃]に対して優先度の差が 2 ある[防御]の採用確率は 1/3 になりますから、この敵キャラは毎ターン 75% の確率で[攻撃]を行い、25% の確率で[防御]を行うことになります。

行動パターン・その3

いずれの戦闘行動も行動条件が[常時]になっていますが、優先度に注目してください。[防御]の 2 は、最高値との差が 3 あります。つまり、採用候補から除外されますので、どのターンも[攻撃]と[ファイア]が採用候補となります。優先度最高値である[攻撃]に対して、差が 1 である[ファイア]の採用確率は 2/3 になりますから、この敵キャラは毎ターン 60% の確率で[攻撃]を行い、40% の確率で[ファイア]を行うことになります。[防御]を行うことは絶対にありません。

このように、行動パターンとして設定されていても、[行動条件]や[優先度]の設定次第では絶対に採用されない場合がありますので注意しましょう。

行動パターン・その4

[フレイム]のみ、行動条件が[ターン数 2*X]となっています。これは、0 ターン、2 ターン、4 ターン……の時に行動条件を満たすという意味ですが、0 ターンというのは 1 ターン目のコマンド入力をする前になりますので、実際には 2 ターン目以降の偶数ターンの時に行動条件を満たすことになります。

では、まずは奇数ターンについて考えてみましょう。

× フレイム ターン数 2*X 5 行動条件を満たさない
攻撃 常時 4 【優先度最高値】
連続攻撃 常時 3
防御 常時 2

このようになりますので、[攻撃]、[連続攻撃]、[防御]の 3 つの中から優先度の数値に従った確率で戦闘行動が決定されます。

次は偶数ターンです。

フレイム ターン数 2*X 5 【優先度最高値】
攻撃 常時 4
連続攻撃 常時 3
× 防御 常時 2 優先度最高値との差が 3 以上ある

このようになりますので、[フレイム]、[攻撃]、[連続攻撃]の 3 つの中から優先度の数値に従った確率で戦闘行動が決定されます。

以上をまとめると、この敵キャラの戦闘行動は以下の通りになります。

奇数ターン(1、3、5 ……ターン)
50% の確率で[攻撃]を、33.3% の確率で[連続攻撃]を、16.7% の確率で[防御]を行う。
偶数ターン(2、4、6 ……ターン)
50% の確率で[フレイム]を、33.3% の確率で[攻撃]を、16.7% の確率で[連続攻撃]を行う。

この例の[防御]のように、他の戦闘行動(この例では[フレイム])が行動条件を満たすかどうかで、採用候補から外れることがあるということを覚えておいてください。

行動パターン・その5

設定されている戦闘行動の数が一気に増えましたが、これまで解説してきたことを踏まえて、敵がどういう行動を取ることになるのか考えてみてください。分かりましたでしょうか?

では、行動条件ごとに分けて考えてみましょう。

●敵キャラの HP が 50% より多い時の奇数ターン

× フレイム HP 0% ~ 50% 10 行動条件を満たさない
× ブリザード HP 0% ~ 50% 10 行動条件を満たさない
× サンダー HP 0% ~ 25% 9 行動条件を満たさない
× ヒール HP 0% ~ 25% 8 行動条件を満たさない
ファイア ターン数 1+2*X 5 【優先度最高値】 42.8%
× アイス ターン数 2*X 5 行動条件を満たさない
攻撃 常時 4
28.6%
連続攻撃 常時 3
14.3%
スリープ 常時 3
14.3%

●敵キャラの HP が 50% より多い時の偶数ターン

× フレイム HP 0% ~ 50% 10 行動条件を満たさない
× ブリザード HP 0% ~ 50% 10 行動条件を満たさない
× サンダー HP 0% ~ 25% 9 行動条件を満たさない
× ヒール HP 0% ~ 25% 8 行動条件を満たさない
× ファイア ターン数 1+2*X 5 行動条件を満たさない
アイス ターン数 2*X 5 【優先度最高値】 42.8%
攻撃 常時 4
28.6%
連続攻撃 常時 3
14.3%
スリープ 常時 3
14.3%

●敵キャラの HP が 25% より多く 50% 以下の時の奇数ターン

フレイム HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 50%
ブリザード HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 50%
× サンダー HP 0% ~ 25% 9 行動条件を満たさない
× ヒール HP 0% ~ 25% 8 行動条件を満たさない
× ファイア ターン数 1+2*X 5 優先度最高値との差が 3 以上ある
× アイス ターン数 2*X 5 行動条件を満たさない
× 攻撃 常時 4 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 連続攻撃 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある
× スリープ 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある

●敵キャラの HP が 25% より多く 50% 以下の時の偶数ターン

フレイム HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 50%
ブリザード HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 50%
× サンダー HP 0% ~ 25% 9 行動条件を満たさない
× ヒール HP 0% ~ 25% 8 行動条件を満たさない
× ファイア ターン数 1+2*X 5 行動条件を満たさない
× アイス ターン数 2*X 5 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 攻撃 常時 4 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 連続攻撃 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある
× スリープ 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある

●敵キャラの HP が 25% 以下の時の奇数ターン

フレイム HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 33.3%
ブリザード HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 33.3%
サンダー HP 0% ~ 25% 9
22.2%
ヒール HP 0% ~ 25% 8
11.1%
× ファイア ターン数 1+2*X 5 優先度最高値との差が 3 以上ある
× アイス ターン数 2*X 5 行動条件を満たさない
× 攻撃 常時 4 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 連続攻撃 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある
× スリープ 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある

●敵キャラの HP が 25% 以下の時の偶数ターン

フレイム HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 33.3%
ブリザード HP 0% ~ 50% 10 【優先度最高値】 33.3%
サンダー HP 0% ~ 25% 9
22.2%
ヒール HP 0% ~ 25% 8
11.1%
× ファイア ターン数 1+2*X 5 行動条件を満たさない
× アイス ターン数 2*X 5 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 攻撃 常時 4 優先度最高値との差が 3 以上ある
× 連続攻撃 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある
× スリープ 常時 3 優先度最高値との差が 3 以上ある

一通り見てもらうと分かると思いますが、敵キャラの HP が 50% 以下になると、行動パターンの採用候補が大きく変わります。これは、上 4 つの戦闘行動と下 4 つの戦闘行動の優先度に大きな差が設定されているからです。

このように、採用候補になるのは優先度の差が 2 以内の戦闘行動であるにも関わらず、優先度は 1 ~ 10 までと幅広く設定出来るようになっていますので、優先度の数値を大きく変えることによって、「HP が一定割合以下になる」などといった条件をきっかけに、行動パターンの採用候補を大きく変えることが出来ます。ザコ敵にはここまで凝った行動パターンを設定する必要はありませんが、ボス敵に設定するとワンパターンでは倒せない強敵に仕上げることが出来ますので、ぜひチャレンジしてみてください。

サンプルの敵キャラの行動パターン

行動パターン解説の最後に、サンプルの敵キャラ「ダークエルフ」に行動パターンを設定して完成させます。

●ダークエルフの HP が 51% 以上の時

攻撃 常時 5 【優先度最高値】 27.3%
サンダー 常時 4
18.2%
シェイド 常時 4
18.2%
アーマーカース HP 51% ~ 100% 4
18.2%
× ヒールⅡ HP 0% ~ 50% 4 行動条件を満たさない
誘惑の歌 常時 3
9%
マナドレイン 常時 3
9%

●ダークエルフの HP が 50% 以下の時

攻撃 常時 5 【優先度最高値】 27.3%
サンダー 常時 4
18.2%
シェイド 常時 4
18.2%
× アーマーカース HP 51% ~ 100% 4 行動条件を満たさない
ヒールⅡ HP 0% ~ 50% 4
18.2%
誘惑の歌 常時 3
9%
マナドレイン 常時 3
9%

これで、行動パターンの設定に関する解説は終了となります。