マップ上を歩く敵を作る

Trinityではランダムでバトルになる「ランダムエンカウント方式」を採用していますが、マップ上を歩く敵シンボルに接触するとバトルになる「シンボルエンカウント方式」にすることも出来ます。

ここでは、そんな「マップ上を歩く敵」の作り方を解説しましょう。

なお、先に敵キャラクターおよび敵グループを作成しておく必要があります。《→敵キャラクターを作る

イベントコマンド[戦闘の処理]

強制的にバトルを発生させるには、イベントコマンド[バトルの処理]を設定します。

敵グループ
バトルの相手となる敵グループを指定します。[ランダムエンカウントと同じ]を選ぶと、[マップの設定]で設定されている敵グループの中からランダムエンカウントと同じ確率で敵グループが選択されます。《→マップに出現する敵を設定する
逃走可
チェックを入れると、バトルから逃げることが出来るようになります。また、逃げた後のイベントの実行内容を設定する分岐も作成されます。
敗北可
チェックを入れると、パーティが全滅してもゲームオーバーにはなりません。また、負けた後のイベントの実行内容を設定する分岐も作成されます。

イベント作成例

それでは、マップ上を歩く敵を作ってみましょう。

1ページ目の設定

[自律移動]の[タイプ]を[近づく]にし、[トリガー]を[イベントから接触]に設定します。[画像]は自由に設定してください。[速度]と[頻度]を変えると敵の動きが変わりますので、テストプレイで確認しながら、最適なものを設定してください。

続いて、[実行内容]の設定です。

まずは、[バトルの処理]を設定します。ここでは、「スライム × 2」と特定の敵グループを指定していますが、[ランダムエンカウントと同じ]などを選んでも構いません。

戦闘に勝った場合は、[SE の演奏]で敵が消える SE を鳴らしながら[イベントの一時消去]で敵を消しています。ですので、別のマップへ行ってから再び戻ってくると、倒した敵が復活しています。復活させたくなかったり、特定のタイミングで復活するようにしたい場合は、[スイッチの操作]を使って敵を消すようにしましょう。《→スイッチについて》《→スイッチの基本操作

戦闘から逃げた場合ですが、目の前の敵は消えていませんので、そのままですとすぐにバトルになってしまいます。ですので、逃げた場合には、一定時間だけ敵の動きを止め、さらに敵と接触してもバトルにならないようにしたいと思います。そこで、セルフスイッチを ON にして、それらの設定は 2 ページ目で行うようにしています。

2ページ目の設定

[自律移動]の[タイプ]を[固定]にすることで、敵が動かないようにしています。さらに、[すり抜け]にチェックを入れていますので、プレイヤーキャラクターが敵をすり抜けて移動出来るようになります。

[トリガー]は[並列処理]にします。これは、[実行内容]に設定した内容を自動的に実行するものですが、[自動実行]とは違い、プレイヤーが自由に操作している間も出現条件が満たされている限り実行され続けます。ですので、複数の[並列処理]イベントを同時に実行するとゲームの動作が重くなりますので、多数の[並列処理]イベントを実行する際には注意してください。

続いて、[実行内容]の設定です。

まずは、移動コマンド[不透明度の変更]で、グラフィックを半透明にしています。そして、120 フレーム後にグラフィックを元に戻し、セルフスイッチが OFF になりますので、2 ページ目の設定は無効になります。つまり、敵が再び動き出して、接触すればバトルになる状態に戻るわけです。なお、[ウェイト]の数値を変更すれば、敵が動かず、プレイヤーキャラクターが敵をすり抜けられる時間を変更出来ます。

これで、マップ上を歩く敵の完成です。

ゲーム画面


●マップ上を敵がうろついている


●接触するとバトルになる


●バトルに勝利すると、敵の姿は消える


●バトルから逃げると、敵は動かず半透明になる


●敵が半透明の間は、バトルにならずに敵をすり抜けることが出来る

シンボルエンカウント導入時の注意点

シンボルエンカウント方式の戦闘は、魅力的な要素のひとつですが、導入にあたって、注意すべき点がいくつかあるため、ここで説明します。

あまり敵を多く作りすぎない
プレイヤーキャラクターに近づく敵シンボルが多すぎると、いっぺんに取り囲まれてしまいます。あまりに数が多いと、戦闘を避けるのも難しくなり、プレイヤーによっては、それだけでうんざりしてやる気をなくしてしまうかもしれません。このため、配置する敵シンボルの数はほどほどにしましょう。制作者が思うより少し少な目に配置すると、プレイヤーには丁度よく感じられるようです。
敵シンボルの動きを工夫する
今回は[自律移動]のタイプを[近づく]にしましたが、一律に[近づく]にしてしまうと、敵シンボルの数や位置によっては、連戦が避けられず、プレイヤーにストレスを与えてしまうかもしれません。対策のひとつとして、敵ごとに移動速度や頻度を変更したり、自律移動を[ランダム]や[カスタム]に変更したりすることが挙げられます。特に[カスタム]にすれば、敵の動きを読めば戦闘を回避できる、面白いシステムになるかも知れません。
イベント起動中も敵は近づいてくる点に注意する
例えばプレイヤーが看板の文字を読んでいる間、プレイヤーキャラクターは動くことが出来ませんが、自律移動する敵は動きを続けます。例えばプレイヤーキャラクターに近づく敵なら、看板の文字を読んでいる間も、近づいてくるというわけです。このことに気を付けて敵シンボルを配置してください。また、スイッチを使えば、「プレイヤーが看板を読んでいる間だけ動きを止める」といったことも可能です。具体的な方法はここでは説明しませんが、そういう配慮をすることも考慮してください。


●このように敵シンボルに取り囲まれるとプレイヤーはうんざりする

テストプレイを重ねて吟味しながら、プレイヤーに与えるストレスの少ないシンボルエンカウントを模索してみてください。